ブギーとは?

「モッちゃんブギーって何?」と、ピュアな質問を受けることがあります。ブギーを知りたい人は良い人です。少し長くなりますがお付き合いください。時間が無い方は薄い文字をスキップしてください。

昔の彼女(ヤマハエレクトーン教室講師)が口を出せば、エレクトーンにプリセットされているシャッフルやスウィングのリズムパターンの説明を始めるかもしれません。絶対音感命の彼女は、我々DJがターンテーブルのピッチコントローラーを操作してレコードのスピードを変えることを嫌っていました。一緒に調べてみると、スピードを0.8%上げると約半音シャープし、下げるとフラットすることがわかりました。(テクノロジーが進化した現在では音程を変えずにスピードを変えることが可能になりましたが)アナログ機材しか無い当時、踊っている人の足を止めずに曲と曲を繋ぐ為にはレコードのスピードを変える必要がありました。音程が変わってしまうことをDJが気にしすぎると選曲のバリエーションの幅が極端に狭くなるので、ある程度の音程の変化や和音を無視する必要がありました。この状況を耳が腐っていると嫌っていました。仕方がないことでした。エレクトーン教室で(生徒達に気づかれないように)半音上げて教えるわけにはいかないですから。

さて、クラブやディスコではグルーヴという不思議な言葉が息吹いていました。例えば、ヒップホップ・ソウルの女王のメアリーJブライジ(日本ではUAあたりかな?)は、発した声が一発で正確に五線譜に乗っているわけではありません。ズレて出た音(声)を五線譜の正確な位置に戻したりズラしたり、天性のものと思われるテクニックでうねりを作り、高揚感を生み出します。これは昔から楽器の演奏方にも存在したいました。(主にブラックミュージックに於いて)グルーヴと呼ばれ独特な高揚感として好まれていました。特に具体的な定義は決まっておらず、体験(体感)した者が場数を踏む毎に表現を豊かにしていきました。また、このグルーヴの語源はレコード盤の音楽を記録した溝を指す言葉で、自動的にDJの作り出す雰囲気にも使われるようになりました。

「モッちゃんブギーって何?」あ!そうでした。グルーヴではなくブギーの説明でした。

シャッフルリズムの反復フレーズ、ルート中心でトップノートを外し気味のベースライン、リズムスラッシュ、シンコペーションの多用と書き始めたいところですが、堅苦しくてわかりにくい説明をしても一般の人が楽しめるはずがありません。(音楽の専門用語としてではなくクラブやディスコのブギーはファンキーな曲。私はこれで十分だと思っています。ファンキーというくらいなので決してファンクではなくファンクのような曲です。ディスコサウンドよりファンキーな曲はブギー、ファンクではないファンキーな曲はブギー、ファンキーなダンスクラシックはブギー、ファンキーでディスコなハウスもブギー、こんな感じから理解をスタートしましょう。ダンサー達には、パンキングやワックで踊れる、ダンスクラシックよりファンキーな曲と言えばわかりやすいと思います。

Patrice Rushen (パトリース・ラッシェン)のForget Me Nots(邦題:忘れな草)をブギーの代表曲と紹介した記事を見かけたことがあります。確かにブギーです。しかしこの曲は、ある記事ではファンク、別の記事ではクラシックソウル、別の記事ではダンスクラシックと様々に表現されています。つまり、クラブやディスコに於けるブギーの定義というのは(限定的な定義から広義に至るまで)極めて曖昧で受け手の感受性に左右されます。音楽的な理論で語れば頭でっかちになり、ダンスフロアでのブギーが面白くなくなってしまいます。我々DJはブギーに聞こえるように、或いはブギーとは感じないように遊んでいます。これもDJの醍醐味です。今まで意識しなかったブギーを意識してみてください。あなた自身がブギーマンになれます。(リズムパターンやシンコペーションは外せませんが)グルーヴの説明でも記した通り、特に具体的な定義は決まっておらず、体験(体感)した者が場数を踏む毎に体得するものがクラブやディスコのブギーです。

Patrice Rushen – Forget Me Nots (1982)

Patrice Rushen – Forget Me Nots (Official Video)

専門家の皆さん、あっち向いてホイ。

ブギー/ブギ(Boogie)、ブギウギ(Boogie-Woogie)、ディスコ・ブギー(Disco Boogie)

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