コロナビールの飲み方についてホントのことを話そう


コロナビールはライムを挿すのが正式な飲み方
だと、知ったかぶりやにわか研究家が語っています。記事やブログも多く出まわってウソが蔓延しています。以前から書いておかねばと思いながら、なかなか出来ていまでんでした。しかし、そろそろ平成も終わるのでここに記しておくことにしました。知ったかぶりの記事を一々指摘するのではなく、私がホントのことを記しておきます。

真実:福岡の小箱クラブが販促で仕掛けた飲み方が拡散して定着した。

これにて一件落着にしておきましょう。コロナビール関係者の方々もこれが真相です。ここに記す以上のことは(興味がある方が)ご自身で調べてみてください。


ストーリー(経緯)
時は1980年代の後半のバブル期、場所は福岡のクラブ・メディア(weekend club MEDIA)です。ここは週末だけの営業で、マハラジャや大箱ディスコが終わった時間帯に芸能人やスポーツ選手、地元のハイソな客層が吸い込まれる穴場です。しかし、オープン当初は土曜日に4名しか集客できないような悲惨な状況でした。スタッフの入れ替え、戦略や戦術の転換で超繁盛店へと導いた手法の一部がコロナビールのプッシュ(販促)です。

メディア(weekend club MEDIA)
店内は天井からシルクのドレープが施され、コンクリート壁には象形文字が彫られています。錆びた鎖や鉄板を多用したチープな造りとイタリアングラスの高価なシャンデリアがアンバランスでスリリングな空間を演出しています。ギリシア神殿様式の柱は下からのライトで浮きあがる仕組みで、間接/直接照明は、今ではすっかり有名になった照明デザイナー松下美紀氏の初期作品です。来店した空間プロデューサーの山本コテツ氏も感嘆していました。

店は古いビルの3階にあるのですが、エレベーターを使用させず階段に行列を作ることで繁盛店をアピールします。予約(予約料金あり)をしていた常連客がフェラーリやポルシェを階下に停めて(当時は飲酒運転に関しての社会常識が緩慢だった)行列の最前列まで進み名乗りをあげます。そして、ドヤ顔でキメます。時代のなせる全国同時進行の光景です。

メディアの戦略と戦術
30年が経過して時効になっていると思うので… 経営不振の店を超繁盛店へと導いた手法を私のブログで紹介していこうと考えていますが、この記事ではコロナビールのことに絞って記します。

社長からの指示
戦略の転換により客数が徐々に増えた頃、社長から次の指示が出ます。
①話題作り(好評価バズ)
②ドリンクチケットの消費
③他店には無い商品を目立たせる
④女性を綺麗に見せる

店長の発案
業績を好転させた店長が「女性のビールの飲み方」について発想の転換を申し出ます。女性にビールをラッパ飲みしてもらいましょう。当時、ビールはグラスやコップに注いで飲むのが常識で、女性がビールをラッパ飲みすることなど考えられませんでした。店長は、大阪の「クラブ・パトーナ」で黒人女性が何かをラッパ飲みしていた際、カッコ良かったと主張しました。■日本人女性がラッパ飲みするのは下品ではないか?カッコ悪くないか? ■ラッパ飲みは強制できない ■国産のビールで良いのか?など、様々な意見が出ました。時間をかけて話し合い、実際に営業中に反応を試してマッシュアップしていきました。

女性にラッパ飲みをさせる手法
①外国のお洒落なビールを選択する(マイナーなライト・ビール) 
②グラスを添えない 
③ライムを挿して瓶の中に押し込んでもらう(スタッフによる飲み方の説明) 
④目立つ女性(サクラ)にカッコ良くラッパ飲みしてもらう 
⑤流行を絡める(音楽・ファッション) 
⑥敢えて料金を高く(チケット枚数を多く)設定して特別感を演出する 
⑦デリバリーの際に花火をつけて目立たせる 
⑧DJがマイクでコロナビールを注文してラッパ飲みを見せる 
⑨根気よく続ける

実行と経過
ビールの銘柄は、あっさりコロナビールに決まったように記憶しています。料金はチケット5枚(約1,000円)でグラスを添えないことから、幾度もクレームが出ましたが店側は(女性のラッパ飲みを拡める為に)強気でした。しかし、取引していた酒屋には弱気でした。というのも、返却する空瓶に異物(ライム)が入っているので回収できないというクレームがあったからです。空瓶回収料金を支払うことで決着したと記憶しています。当時はマイナーなコロナビールの仕入価格もライムも高かったと思います。そして、かなりの根気を要した結果、店内でラッパ飲みする女性が増えていきました。クラブの暗い店内は花火のついた瓶が行き交うようになりました。※当時、室内で使える花火は少なく、専門の業者に特注したのを記憶しています。その後、お薦めの商品に花火をつけてデリバリーを繰り返しましたが、それを見た人が誕生日と勘違いして今の形に拡がったと思います。

メディアと音楽とファッション
コロナビールはメキシコ(スペイン語圏)のビールです。ニワトリが先かタマゴが先か?偶然なのか仕掛けなのか?その辺はどちらとも言わないでおきますが、当時、私は渋谷で繊研新聞にスナップされました。テーマはサンタフェ(ニューメキシコ)と判定されました。また、アニエス・ベーを展開していた㈱モリトモのバイヤーK氏からフランスのヒットチャートの情報を得ていました。数年後に世界的にヒットするジプシー・キングス(スペイン語)が台頭しはじめた頃で私(DJ)の選曲に加えていました。雑誌アンアンの特集は「Tex Mex:テクス・メクス」でテキサス&メキシコ推しを進めていました。多少こじつけっぽい部分もありましたが、全てが絶妙にマッチングしていました。

勝利宣言
とてもミーハーな決着ですが、とんねるずの超人気番組「ねるとん紅鯨団」で「お洒落なビールで乾杯」と、コロナビールにライムを挿していました。我々は流行の起点になったことを確認してガッツポーズをしました。(既に新しもの好きのクラブ関係には拡がっていましたが)この瞬間から一般にコロナビールと(日本の)女性のラッパ飲みが浸透しはじめたと思います。

結論
地元(メキシコ)の人達が「コロナビールにライムを挿すのは邪道だ」というのは当然です。我々が仕掛けたのですから。そして、世界に拡がったので邪道が主流ということです。

追記:先日、メジャーアーチストの《ビヨンセ》がコロナビールにライムを挿して飲んでいました。もうこれが正式なスタイルで良いのではないでしょうか?我々が提案したスタイルが世界標準です。

反論
特に受け付けていません。地球上には70億人も居るのですから、先にそのスタイルを実行していたと言い出す人が居るかもしれません。まあ、それはそれで良いのではないでしょうか?私の記事を全否定しても構いません。ただ、我々の真実を記しておきます。コロナビールの飲み方についてホントのことを話しておきます。

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