DJ回顧録(#017)中洲動物園と中洲軍

フェニックスからシニフェへ移籍しました。中洲の北端から中洲の中央への距離は(数百メートルで)歩いて数分でしたが、環境は全く異なっていました。

フェニックスは年功序列型の軍隊式ピラミッドのように組織されていて、始業時刻になると点呼がはじまります。点呼は出勤メンバーの中で序列が一番高い者がリーダーになります。

例えばこんな感じです。「福岡営業部・パブディスコ・フェニックス、総員◯名、現在員◯名、欠席◯◯、只今より点呼をはじめます。」と大きな声で名乗りを上げます。そして、司会のような役割を務めます。「それでは◯◯さん社是をお願いします。」と指名します。

指名された者は「福岡営業部・パブディスコ・フェニックス・主任◯◯、社是リーダー取らさせて頂きます。」と部署・役職・氏名を名乗り「4つの約束。日本一、美味しい店にします。日本一、清潔な店にします。日本一、親切な店にします。日本一、効率の良い店にします。」と宣います。

次は、社歌斉唱のリーダーが指名されて名乗りを上げます。他のメンバーは肩を組んで準備をします。この間、上着を脱ぐ者もいます。「怒涛逆巻き、地は天を揺るがす。激動の時、進もう同士よ。見よこの業界を制覇する。真の団結〜♬」とヤバい社歌を肩を組んで全員全力で唄います。

細かく記すときりがないので省略しますが、今月の目標→ 接客7大用語→ 伝達事項と進み「今日も一日、お願いします。」と締めます。この時「今日も一日、宜しくお願いします。」と《宜しく》を加えてしまおうものなら、全員から「違う!」と大声で指摘を受けることになります。辞書で調べさせられた経験がありますが、《宜しく》は《適当に/ほどよく/あなたの考えで》と記してありました。厳しく拘った点呼は、どの局面に於いても間違うと正確に言い切るまで「違う!」という声が飛んできます。あがり症の人がリーダを指名されるとなかなか前に進みませんでした。

一方、実力成果型のシニフェは、始業時刻になると勝手に部所につき、いつのまにか営業がはじまります。営業が終われば、片付けが済んだ部所から勝手に帰っていきます。シニフェは記すことがありません。

このシニフェの自由な実力主義は、ひとりひとりが強烈な個性をアピールしていました。ウェイターの制服も真っ赤なジャケットで、営業中でも喧嘩が勃発したり、泣いているスタッフが居たり、女性客の取り合いをしたり、フェニックスでは全く考えられないカオス状態でした。私は心の中で中洲動物園と名付けました。猿、コウモリ、ねずみ、きつね、カバ、アヒル… アルパカやコヨーテもいました。

シニフェの舵取りをしている萩原氏のDJはファンも多く安定していてシンセドラムで派手なパフォーマンスをします。ワンダー氏はシニフェの流れを知り尽くしていてお洒落な推し曲を加えながら淡々とプレイします。キンヤ氏は「真っ赤なキャロットを見たことがあるかい?」とヘンテコなキャラを演じつつセンス良い選曲を繰り広げます。

ヤバい。私には個性が足りない。中洲軍から中洲動物園に移籍した私は、この時、ブランディングとセルフ・プロデュースに覚醒しました。

このブログは世界に公開されているわけで、私の顔にも(無駄な労力の)モザイク処理が施されています。時は移ろい、常識...

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